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根本 匠ねもと
たくみ

衆議院議員

福島第2区

(郡山市・二本松市・本宮市・大玉村)

特別編集
厚生労働大臣
344日間の軌跡
重い歴史に向き合う「ハンセン病家族訴訟」

 らい予防法(平成8年に廃止)による国の隔離政策により損害を受けたとして、元患者の家族が、国に対して損害賠償を求めて提起していた訴訟の判決で、熊本地裁は令和元年(2019年)6月、違法な隔離政策によって家族も差別を受け「生涯にわたり回復困難な被害を受けた」として、国に賠償金の支払いを命じた。原告の主張には法的に問題点が多かった。国として法的な観点から容認できない点が出てくる可能性は高い。控訴すべきか、元患者本人が提起した訴訟について当時の小泉総理が控訴せずと政治決断したのを間近で見ていた安倍総理はどう思うのか、根本はぎりぎりまで懊悩した。
 総理に判断を仰ぐ前日、根本は、法的には問題が多いので上級審の判断を仰がざるを得ないが、家族に対する補償措置を講じること、普及啓発を強化し家族との協議の場を設ける、との結論にたどり着いた。しかし同時に、総理が「控訴せず」と政治決断した場合の対処方針も、胸に潜ませていた。
 翌7月9日朝、官邸総理執務室で、根本はたどり着いた方針を説明した。総理の判断は「控訴しない。これは政治決断です。」明快だった。根本は用意していた対処方針を総理に告げ、総理の了承を得た。  7月12日、総理大臣談話が発表され、根本は遊説先の米沢市で「実務的な協議の場」を早期に開催する方針を表明した。7月24日、根本は厚生労働省に原告団を招き、元患者家族の方々が長年にわたって受けてきた苦痛などに対し改めて謝罪し、「ご家族の皆様のお気持ちをしっかりと受け止めます。皆様に寄り添った支援を行うこと、これが基本的な姿勢です」と、率直な気持ちを伝えた。