衆議院議員 福島2区(郡山市、二本松市、本宮市、大玉村
掲載 : 「諸君!」2001年6月号
2001.06.01

「四騎の会」は何を考えているか - 6

派閥の論理で動いていてはお先真っ暗。政治家は今こそ、将来のビジョンを国民に示せ!

総裁候補を格付けする

渡辺:

経済対策をきちんとやるためにも、今度の総裁には本格政権になってもらわなければ困ります。そこで私は、政権が不良になるかどうかを判断するための、10項目の格付けポイントを考えてみました。

第1に、派閥システムこそは自民党政治の諸悪の根源だから派閥のしがらみからの自由度が問題となる。年功序列、派閥均衡を破壊できるパワーがなければいけない。

第2に、本格政権になりうるか否か、つまり暫定政権の傀儡性を払拭しているかが問われる。おそらく自民党は過半数を取れないから、連立の枠組みについても明確なビジョンを持っていることが必要です。

第3に、世代交代が促進されるか。派閥の領袖と長老の支配から脱却し、新しいエネルギーを吹き込まなければ。

第4に、日本と世界の現状に対する危機認識と、これを乗り越える強い信念が求められる。「確信の人」こそ、今の時代にふさわしい。

第5に、ダイナミックな政策構想力と、問題解決の戦略的思考を持ち合わせていること。タテ割りのシステムを排除し、真の政治主導を実現するために不可欠な要素です。

第6に、やる気と情熱が必要。ただ、これには責任感の裏打ちが必要です。心情倫理に流されて、どんどん借金してばら撒けばいいという無責任な政治は絶対に排除しなければならない。

第7に、直観力と判断力。非常事態に臨んだときにこそ政治家の真価が問われるわけですから、これは不可欠の要素です。

第8に、国民との間に信頼関係を構築できる説得力です。言葉の力は重い。

第9に、国際性。これは、英語が話せるかどうかではなく、国益を考えて日本の立場をアピールできるかどうか、その交渉力と迫力を持っているかということです。

第10が、清潔度。これだけ政治がスキャンダルまみれだと、人心が倦んでしまいます。聖人君子を求めるのは無理でも、排気ガスが許容限度内におさまっている必要がある。

この10項目について、今回の総裁候補の4人、橋本さん、小泉さん、麻生さん、亀井さんの点数をそれぞれ10点満点で採点しましょう。で、合計点に基づいて、上から順にAAA、AA、A、BBB、BBで格付けする。ちなみにBB以下は投資不適格のジャンク債(笑)。

根本:

4人の評価はこれから出すとして、愛党精神から言わせてもらうと、自民党は他の政党に比べたらずっといいと思いますよ。

石原:

じゃあ、野党からも、民主党の鳩山さんと自由党の小沢さんを入れよう。あとせっかくだから編集部にも採点にくわわってもらいましょう。

塩崎:

まず「派閥からの自由度」ですが、橋本さんは0点に近いでしょう。

渡辺:

小泉さんは派閥を離脱したけれど、森内閣のときの反省があるかないかで違いますね。

塩崎:

麻生さんは、推薦人を借りたことで他の派閥まで面倒を見なければいけないから、ほとんどマイナスですね。民主党に派閥はないでしょう。

石原:

いや、あるんだよ。人が3人いれば2つ派閥ができると言うじゃないか。

渡辺:

小沢さんは派閥そのものだな(笑)。次は「本格政権の度合い」です。

石原:

亀井さんは、いい悪いは別として本格政権でしょう。

渡辺:

麻生さんは・・・傀儡だな。

石原:

「世代交代の推進」はみんな0点だ。

塩崎:

小泉さんは50代で、麻生さんは60だから、少しいいでしょう。

石原:

これに関しては、鳩山さんはいい。

次の「危機意識と強い信念」だけど、橋本さんは高いでしょう。もう一度行財政改革をやらせてくれと言っているんだもの。

根本:

10点にしたらいい。小泉さんも10点だ。

塩崎:

小沢さんも10点じゃないの。

渡辺:

亀井さんは0点だな。

石原:

いや、方向はともかく信念は強いから。

根本:

次の「政策構想力と戦略的思考」ですが、橋本さんはわりといいでしょう。

石原:

小泉さんは、意外と低いかもしれない。

渡辺:

郵政民営化と行革と財政再建だけじゃダメですよ。

根本:

小沢さんには、わりとあるけれど、ちょっと方向が違っている。

塩崎:

「責任を持った情熱」です。

根本:

橋本、小泉、麻生はまあまあ、亀井さんは・・・独りよがりの責任はあるかもしれない。

渡辺:

やる気はあるけど、責任はともなっていないからなあ。鳩山さんは情熱がちょっとたりないよね。

石原:

小沢さんもありそうでないんじゃないか。

根本:

ないのかなあ。独りよがりの情熱かも知れない。

次の「直観力と決断力」は、亀井さんは間違うこともあるが10点だと思う。

渡辺:

間違ってると困るんだよ。

塩崎:

橋本さんは、わりと悩むらしいよ。でも金融ビッグバンを決めたぐらいだから少し評価できる。小沢さんは結構あるでしょう。

渡辺:

「国民との信頼関係」は、橋本さん、ないでしょう。一度失敗してるから。亀井さんは?

塩崎:

これはないんじゃない。

渡辺:

でも、過剰債務業界というか、オールドエコノミーのほうからはあるでしょう。

石原:

施しの政治だからなあ。

塩崎:

小沢さんはあんまり信頼されていないよね。

渡辺:

でも一部にファンがいるでしょう。比例区では、彼一人の人気で600万票入ったくらいだから。

根本:

「国際性」だけど、橋本さんは、交渉力があると思うよ。小泉さんは英語もできる。

塩崎:

英語じゃなくて、国益意識を持っているかどうかでしょう。小泉さんにはあまりないように見えるけど、未知数だね。小沢さんはあるでしょう。

石原:

アメリカだけだよ。

渡辺:

これも未知数でしょう。では最後に、「清潔度」。

塩崎:

これはみんな今ひとつだなあ。鳩山さんもあまりない。小沢さんは、女性関係は清潔だろうけど。

根本:

竹下派だから、金はどうかな。

渡辺:

さて、以上の結果を採点して、4人プラス編集部の平均をとってみましたが、集計の結果、小泉さんがAAでトップ、橋本さんと小沢さんがシングルAで、亀井さんと麻生さんはBBBだからギリギリですね。

根本:

AAAの政治家なんてまずいないけれど、こんなことを言っていると、正常債権のはずのわれわれが直接償却されちゃうかもしれない(笑)。

塩崎:

四騎がいきなり討死しちゃうよ。

石原:

いやいや、四騎の会は4人だけじゃないんです。討死どころか、これからどんどん増えていきますから、国民のみなさんにも、われわれの活動を見守っていただきたいですね。