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匠の考え

根本復興大臣の会見[平成26年8月1日]

1.発言要旨
 おはようございます。私から4点お話をいたします。
第1点目は、平成25年度復興関連の予算の執行状況および復興交付金事業の進捗状況の公表についてです。昨日、平成25年度の復興関連予算の執行状況および復興交付金事業の進捗状況を公表しました。平成25年度の復興関連予算については、歳出予算減額7兆5,089億円に対し、執行額は4兆8,566億円、執行率は64.7%となっています。執行率は24年度と同程度となっていますが、実質的には大きく改善していると考えています。
  第1に、復興交付金の執行状況についてです。復興交付金は国から被災自治体へ配分され、配分を受けた被災自治体が施工業者と契約することにより事業を進めるものです。国から被災自治体への配分という意味では、復興交付金は安定的かつ弾力的な執行を確保する観点から、先々の事業費を検討しており、24年度の時点において、既に25年度、26年度の事業費を配分してきました。
  この結果、被災自治体では、基金の活用を通じ、執行に必要な事業費がある程度確保されており、25年度中の国から被災自治体への配分という意味での執行率は低下しています。一方で、被災自治体に配分された資金が実際に活用されているかという意味、すなわち、現場での執行状況については、タスクフォースで取りまとめた加速化措置の活用を踏まえた市町村などの取組みにより、平成25年度は被災自治体から施工業者への契約額が3倍増加し、目に見える形で事業が進捗しています。このように、事業の進捗は大幅に前進しています。   具体的には、昨日、市町村および道県から本年3月末時点の事業の進捗状況が公表されました。これに伴い、復興庁においても、市町村ごとの集計結果を公表しましたが、全体の契約済額は約9,271億円でした。年度末時点での契約済額が1年前の3倍となり、平成25年度までの事業費として交付した交付額に対する割合も、7割に上昇しました。
  第2に、それ以外の事業の執行状況についてです。復興交付金の性格については、今申し上げましたが、復興交付金を除くと執行率は67%となり、平成24年度の61.3%よりも5.7%改善しています。主な分野別に見ると、平成24年度と比べ、「まちの復旧・復興」分野では、執行率は17.9ポイント改善、「産業の振興・雇用の確保」の分野では、執行率は10.9ポイント改善、「原子力災害からの復興・再生」分野では、執行率は4.4ポイント改善となっており、大きな改善が見られています。このように、加速化措置の活用などにより一定程度の成果が上がってきており、進捗が見られていると認識しています。
  平成26年度以降、これまでの累次の加速化措置の効果が一層発現することにより、相当の進捗が図られると見込んでおり、予算の執行率も一層改善することが期待できると考えています。今後とも、復興のステージの進展に応じた適切な措置を行い、復興関連予算の円滑な執行に努めていきたいと思います。
  次に、「復興金融ネットワーク」意見交換会の実施についてであります。来週8月5日火曜日に、私が「復興金融ネットワーク」のメンバーと意見交換を行いますので、お知らせいたします。
  産業復興創造戦略を早期に実現するためには、新たな取組に挑戦する事業者に対して、新規の民間資金(ニューマネー)が円滑に供給されるよう、官民が連携して、金融関連施策を強化する必要があります。
  このような問題意識の下で、本年の7月に設立した「復興金融ネットワーク」を実効的な取組とするため、被災地における金融面の課題や「復興金融ネットワーク」の活動内容などについて、私が金融機関の方々と意見交換を行います。この意見交換会の際には、「復興金融ネットワーク」のメンバーである金融機関などの12団体において実務に携わっている方々にご出席をしていただきます。
  被災地の産業・生業(なりわい)の創造的な復興に向けた金融面の取組について、意見交換ができることを期待しています。
  次に、「WORK FOR 東北」における派遣実績についてであります。「WORK FOR 東北」の平成26年度第1四半期の実績として、地域の産業復興や避難者のコミュニティー構築支援など、専門性の高い分野へ17名の方の派遣が決定しました。うち1名は民間企業からの派遣であり、パナソニック株式会社から山元町産業振興課に派遣され、農水産物直売所の企画立案業務や、6次産業化に向けた商品開発などに携わっていただく予定です。
  平成25年度の派遣実績17名と合わせ、現在、34名の民間人の方が被災地の復興のために尽力しています。本格的復興の段階に移行し、地域の産業やコミュニティーの復興を加速化させるため、民間の専門人材の活用を期待します。
  最後に、8月3日に復興庁や内閣広報室、内閣府、外務省、環境省といった関係省庁が開催するという形で、放射線についての理解促進のための勉強会を実施します。
  私からは以上です。

2.質疑応答
(問)最後の点でおっしゃっていただいた放射線の勉強会、これはどういう性質のものでしょうか。
(答)資料を後でお配りしますから、それを見てください。

(問)今年に入って、復興財源であった復興特別法人税とかに、被災地のカットが廃止になるとありましたが、その中で、ガソリン税、ガソリンの価格を下げるトリガー条項が、復興のためということで凍結されたままになっています。被災地の方たちにとっても、ガソリンの価格っていうのは切実な問題で、復興予算も大切だけれども、ガソリンもどうにかしてほしいなという声も、取材していると挙がるんですが、復興庁としては、このトリガー条項が復興のために凍結されている、ということはどのように見ていらっしゃいますか。
(答)いわゆる揮発油税などのトリガー条項、今、お話しがありましたが、その凍結解除については、ガソリンの買い控えやその反動による流通の混乱の懸念、あるいは国・地方を通じた大幅な減収といった全国的な問題があると承知しています。

以上