衆議院議員 福島2区(郡山市、二本松市、本宮市、大玉村

構造改革のすべて - 4

〜歴史的意義と到達点〜

III 暮らしの構造改革

(1) 社会保障改革、雇用セーフティネット

国民が安心して将来を設計することのできる社会を構築

◆持続可能な社会保障制度の確立
  • 年金制度・医療制度・介護保険制度について、今後の一層の少子高齢化の進行の下で、国民の安心を確保しながら、給付の見直しと効率化を図り、将来にわたり持続可能な制度を確立。
  • その際、年金・医療・介護・生活保護等の社会保障サービスを一体的に捉え、制度の設計を相互に関連付けて行う。
  • 年金制度については、平成16年の財政再計算に合わせて、恒久的な改革を行い、年金制度の信頼回復を図る。
  • 早期の給付調整と保険料の引上げ。
  • 将来における負担を一定水準に固定して、人口や経済の状況変化に応じて給付を自動的に調整する仕組みを導入して、恒久的な安定した制度を確立。
  • 医療制度については、医療サービスの多様化・質の向上と患者による選択の拡大を図るとともに、公的医療費の伸びの抑制を図り、持続可能性のある医療制度への改革を引き続き実施。
  • 保険者の再編・統合、高齢者医療制度、診療報酬体系について、平成15年3月の閣議決定に基づき検討を進め、実施可能なものから逐次実施
  • このほか、医療及び医療に要する費用に関する情報の収集、分析等の体制の整備、保険給付の内容及び範囲の在り方等の課題についても引き続き検討
  • 医療サービス効率化プログラム(基本方針2001)について、早期に完全実施
  • 介護保険制度についても、給付費が増大する中、制度全般の検証を実施して、必要な措置を講ずる。
◆少子化対策の推進
  • 新エンゼルプラン(平成11年12月)に基づき保育サービスの拡充へ取り組み(平成12年度〜平成16年度)
  • 子育て支援サービスの充実
    表7
    事項 平成6年度 平成11年度 平成16年度
    低年齢児受入れ枠の拡大 45.1万人 56.4万人 68万人
    延長保育の促進 1,649ヶ所 5,125ヶ所 10,000ヶ所
    一時保育の促進 387ヶ所 685ヶ所 3,000ヶ所
    地域子育て支援センターの整備 118ヶ所 997ヶ所 3,000ヶ所
    放課後児童クラブの推進 5,313ヶ所 8,392ヶ所 11,500ヶ所
  • 国の規制緩和措置(平成12年3月実施)
  • 市町村と社会福祉法人に限っていた設置主体制限を撤廃(株式会社、NPO、農協、生協、学校法人なども保育園を設置可能に)
  • 保育園の最低定員を30人から20人に引下げ
  • 自己所有が原則だった土地・建物について、賃貸方式を認容
  • 育児休業制度の充実
  • 職業生活と家庭生活を両立させるために、就業援助のための休業制度を導入
  • 育児休業制度(平成4年4月施行、平成7年10月から全事業所に導入を義務付け)1歳未満の子を養育する男女労働者に育児休業を取得する権利を付与(事業主は休業の申出を拒否できず、育児休業の取得を理由とする解雇も禁止)。
  • 育児休業給付 (平成7年4月施行)雇用保険から育児休業期間中に育児休業給付(休業前賃金の25%)を支給。平成13年1月から給付率を休業前賃金の25%から40%に引上げ
  • 平成11年4月には介護休業(3ヶ月)についても同様の仕組みを導入
  • 育児休業期間中については、年金・医療保険料を免除
  • 待機児童ゼロ作戦(平成13年7月閣議決定)の推進
  • 保育所、保育ママ、自治体単独施設、幼稚園預かり保育等を活用し、保育所待機児童ゼロに向けて、平成14年度から、毎年度5万人、3ヵ年で計15万人の保育所受入れ児童数を増加させる取組みが進行中
  • 平成15年4月1日現在 保育所入所児童数192.1万人(対前年比+4.1万人)待機児童数2.6万人(対前年比+936人)
  • 規制緩和により保育所の認可件数が増加(平成13年4月から14年10月の間に338件)。
  • 公設民営方式の保育所も増加(平成13年度〜平成14年度で105件、累計406件(平成14年8月))
  • 次世代育成支援少子化の流れを変えるために、政府、地方公共団体、企業等が一体となって、子育てを支援。
  • 「次世代育成支援に関する当面の取組方針」(平成15年3月策定)。<基本的な施策>
  • 企業における「男性を含めた働き方の見直し」−子育て期間の残業期間の縮減等
  • 仕事と子育ての両立の推進:社会全体での目標値の実現に向けた取組み(例:育児休業の取得率 男性10%、女性80%(平成14年度男性0.33%、女性64.0%))等
  • 地域における「子育て支援」:一時預かりサービス、地域子育てセンターの推進
  • 社会保障における次世代育成支援:年金額計算における育児期間への配慮の検討
  • 子供の社会性の向上や自立の支援:中高生への乳幼児と触れ合う機会の拡充、若者の就業支援等
  • 「次世代育成支援対策推進法」を10年の時限立法として制定(平成15年7月成立)。この法律に基づき、地方公共団体及び企業は、行動計画を平成16年度までに策定し、平成17年度から10年間集中的・計画的に取り組む。
  • 平成16年には、児童手当制度、育児休業制度、多様な働き方を実現するための条件整備について、幅広く検討を行った上で所要の法案を提出。
  • 雇用セーフティネット
  • 「若者自立・挑戦プラン」(平成15年6月関係閣僚会議決定)
  • 若者の働く意欲を喚起しつつ、全てのやる気のある若者の職業的自立を促進し、当面3年間を目途に、若年失業者等の増加傾向を転換させることを目標

※若年者の就業状況
高い失業率(24歳以下約10%)、増加するフリーター(約200万人)、若者失業・無業者(約100万人)、高い離職率(学卒後3年で中卒7割、高卒5割、大卒3割)
⇒経済基盤の崩壊(中長期的な競争力や生産性の低下)
深刻な社会問題(不安定な就労者の増加や所得格差の拡大、社会保障システムの脆弱化、社会不安の増大、少子化の進行)

<具体的施策>
  • 地方自治体、学校、民間団体、民間事業者との密接な連携のもとに、複数紹介、トライアル雇用やジョブサポーター(就業支援相談員)を活用した一対一の個別総合的な職業相談・紹介体制を整備
  • 日本版デュアルシステム(実務・教育連結型人材育成システム)の導入
  • 全国一律的な制度から、地域の個性や自主性を活かした雇用促進策へ転換。自治体、地域の企業、学校、ハローワーク、民間事業者等の連携の下、若年者のためのワンストップ・センターを整備
  • 多様な働き方への対応
  • 労働者派遣法の改正(平成15年6月成立)
  • 労働者派遣期間の延長(1年⇒3年)
  • 派遣業務の対象の拡大(物の製造業を追加)
  • 労働基準法の改正(平成15年6月成立)
  • 有期労働契約期間の上限の延長(最高3年⇒5年) 等
  • 雇用対策の強化
  • 不良債権処理への対応の加速
  • 不良債権処理に伴い離職を余儀なくされた人の常用雇用、トライアル雇用、起業支援(不良債権処理就業支援特別奨励金)
  • 実践的教育訓練の実施による、早期雇用再生のための能力開発支援
  • 新たな雇用機会の創出及び雇用の安定
  • 地域に貢献する事業での雇用受皿創出支援(緊急地域雇用創出特別交付金事業)
  • 緑の雇用担い手育成対策(森林整備の担い手育成のためのOJT研修)
  • マッチング機能の強化
  • ハローワークに専任の支援員(就職支援ナビゲーター)を配置
  • キャリア・コンサルタントの増員
  • 雇用保険制度の見直し(改正法:平成15年4月25日成立)
  • 早期再就職の促進、多様な働き方への対応、再就職の困難な状況に対応した給付の重点化

(2) 環境・食の安全

「環境と経済の両立」を目指し、日本の持つ科学技術の力を総動員

◆循環型社会の構築
  • 循環型社会形成推進基本法(平成12年5月成立、6月施行)を踏まえて、食品、建設、自動車等の各種のリサイクル法を整備。
  • 平成15年10月から家庭用パソコンについて製造時業者等による回収・再資源化を開始
  • 平成17年1月から自動車リサイクル法を本格施行
  • 廃棄物処理法を改正(平成15年6月11日成立)し、ゴミの不法投棄の一掃に向けた体制を強化
  • 都道府県等の調査権限の強化、大臣の報告徴収、立入検査権の規定
  • 不法投棄への罰則の強化(一般・産業廃棄物ともに1億円以下)など
◆持続的に発展可能な社会「バイオマス・ニッポン」の実現を目指す
  • 食品廃棄物や家畜排泄物、木質系廃材・未利用材などは、エネルギーや肥料、素材として活用でき(バイオマス)、太陽のエネルギーを使って生物が作り出す持続的に再生可能な資源
  • バイオマスの利活用を国家プロジェクトとして位置付け、平成22年を目標とする78項目の具体的な行動計画を策定(平成14年12月閣議決定)。
  • 関係府省による「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」、民間の創意工夫を取り入れるために学識経験者等からなる「アドバイザリー機関」を設置し着実に推進。
◆世界に先駆けた環境対応
  • 世界で初めて燃料電池自動車を政府が導入(平成14年12月)
  • 燃料電池車の開発・普及に向けて、平成16年度までに関連規制を見直し(公道走行時の国土交通大臣の認定、水素スタンドの設置規制、家庭用燃料電池の設置に際しての保安規定の届出、電気主任技術者の選任等)
  • 低公害車の普及
  • 平成13年5月から平成16年度末までに、政府の一般公用車(約7000台)を原則として全て低公害車に切り替え
  • 平成12年度末63万台⇒14年度末458万台(新車販売の64.5%(14年度下半期))
  • 産業廃棄物の最終処分量が減少
  • 平成12年度末は対前年度比▲10%減
  • 廃家電取引台数の増加
  • 平成14年度1015万台(対前年度比19%増)
◆食の安全の確立
  • BSE問題の発生時に指摘された、縦割り行政や生産者優先・消費者保護軽視といった批判に対応して、食品安全行政を抜本的に見直し(今国会で、食品安全基本法等関連8法案成立)。
  • 食品安全委員会(平成15年7月1日発足)が「食の安全」を客観的、中立的、科学的に分析。規制官庁の農林水産省・厚生労働省のお目付け役として、「食の安全」に取り組む体制を整備。
  • 生産者優先の行政から、消費者優先の行政へ大転換。

(3)農業の振興

消費者に信頼・支持される農業とすることを基本に、意識改革・政策転換を推進。プロの農業経営者が経営しやすい環境を整備

◆国民のコンセンサスを踏まえた政策展開
  • 食料・農業・農村基本法をベースに消費者を十分に意識し、消費者に支持される農業を目指す。
  • 消費者も「少し高くても安全で安心な国産農産物を食べたい」という意向
  • こうした消費者ニーズに応えれば、農業のビジネスチャンスは大
  • 消費者や一般国民の支持があればWTO交渉も有利に展開
  • 農林水産省も消費者や食品安全を重視した「消費・安全局」を新設(本年7月)
◆経営マインドと経営能力のある農業経営者を軸とする政策体系の確立
  • 担い手と副業的農業者などのタイプ別にメリハリのついた政策体系へ
  • 担い手には、農林公庫スーパーL資金等、使いやすい融資制度が整備済み
  • さらに、担い手には経営所得安定対策の確立に向けて検討
◆担い手の農業活動を支援するための農協改革の推進
  • 「作ったものを売る」から「売れるものを作る」という発想の転換
  • JA自ら、直接の販売ルートを開拓・拡大し、段階的に市場出荷依存・全農依存から脱却
  • 生産資材については、全農・JAを含めて、JAグループ全体として抜本的なリストラを行い、コストを大幅に削減