2010.08.04

東北志士の会・チーム神奈川合同政策合宿について。

 8月3日(火)と4日(水)、わたしたち「東北志士の会」と、神奈川で次期衆院選での再起を目指す「チーム神奈川」の合同合宿が、私の地元の福島県と、宮城県で行われました。国会では衆院予算委員会が開かれていましたが、民主党政権のしわ寄せを受ける地域行政や農家の現場を歩くことで問題点を改めて確認し、よりよい政治を築くことへの一助となりました。自民党が新しく生まれ変わり、信頼を回復するには、国民政党としてしっかりと地域に根を張り、国民の声を吸収し、豊富な経験を生かしながら、政策をみがきあげることが必要です。 「今こそ草の根に分け入り、政策を鍛える」、合同合宿の同志の皆さん「とても有意義だった」と合宿の成果を強調していました。

 参加したのは、「東北志士の会」からはいずれも前衆院議員の鈴木俊一代表世話人、西村明宏幹事長、御法川信英事務総長と代表の私の4人、「チーム神奈川」の小此木八郎代表ほか、山際大志郎、林潤、坂井学、鈴木馨祐、福田峰之の各前衆院議員、星野剛士、牧島かれんの各前候補の8人の計12人でした。 テーマは三位一体改革や市町村合併の検証、高齢化が進む地域の活性化、地域資源を生かした農業等多岐にわたりました。

 初日の3日は、私が「団長」役。午前10時半に集合場所のJR郡山駅をキャラバンバス「根本匠」号で出発し、郡山市、本宮町、大玉村、二本松市を一日かけて回りました。

 最初の本宮市役所では、佐藤嘉重市長から三位一体や地域活性化への取り組みについて伺いました。冒頭、私から「自民党が野党のいまこそ、政策を磨くときだ」とあいさつ、小此木代表も、地域の課題への取り組みの重要性を強調しました。本宮市は平成19年に本宮町と白沢村が合併して誕生しました。佐藤市長からは、破産寸前だった本宮市を自主的財政健全化計画で少しずつ立て直してきた経緯や、まちづくり推進のため若手が中心となって誕生した「鰍烽ニみやMot.com」などの説明がありました。参加者からは「合併の効果は」「三位一体の影響は」などの質問が相次ぎ、市長は「工業団地の巨額返済などで第二の夕張市になるのではないかといわれた。三位一体で収入が減り、住民には大変反発があったが、これ以上の借金はせず、身の丈にあった中で行政を展開してきた」と堅実さの重要性を強調していました。

 本宮市は、「全都市住みよさランキング」(東洋経済新報社)で26位。特徴は、地方自治に経営感覚を導入していること。危機的状況にあった財政立て直しに経営者の視点で取り組み、財政健全化に道筋をつける。合併のアメと言われる合併特例債もこれ以上借金を増やさないとして使わず、賢明な選択をしています。 官と民のパートナーシップもポイント。官と民の適切な役割分担のもとに、街づくり会社やタウンマネジメントを構想。農業も荒廃しつつある農地を日本の里として残していく取り組みが行われ、東京の高円寺の商店街と連携して本宮市の農産物を直売、大学生が農家にホームステイしての農業体験、地元の農産物の地産地消パーティー等、多彩な政策を試みている。「行政が民の営業マンになる」が哲学。

 次の大玉村では、村が運営する農産物直売所の村産業振興センターを視察し、耕作放棄地対策の現場をみて回りました。

大玉村は平成の大合併のなかで、「自立」を選択した村。農産物直売所は年々売り上げを伸ばし、生産者の参加者は200人。村が雇用対策で誘致した大型店と共存共栄。耕作放棄地も乱開発を防ぐ、農業を振興する、視点で村が取得。菜種の栽培、貸農園、宅地開発等耕作放棄地を資源として活用しています。

 昼食は地域のリーダーが最近オープンした「森のそば屋宇山」。自然に囲まれた庵で自らが栽培したソバをひいてくれ、とても美味しく全員感動。また地元の有志のなかには耕作放棄地にそば、菜種を作り、将来は部落の野菜を共同で創り、収穫する計画も進行中で、大玉村は確実に自立への道を切り拓いています。

 午後からは、二本松市小浜地区(合併前の旧岩代町)で、限界集落が進む同地区の商店街を視察。「人口が減り、どんどんシャッターが閉まっていく」という案内役の地元の商工会長の声に耳を傾けながら、深刻な現状を目の当たりにしました。この後、地元の若手経営者らと意見交換会では、「若者の仕事がない。農業で自給率を上げる方法はないのか」「(合併で)これほど人が減るとは思わなかった。これなら合併しない方がよかった」など過疎化の現状を訴える率直な意見が相次ぎました。最近では、道路網の発達で、買い物をする場合、仙台まで足を運ぶケースも多く、地元での購買力が低下している現状もあるようです。地方では少子高齢化が深刻な問題で、なかには「お嫁に来てもらうにも、コンビニひとつない」という声もありました。

厳しい状況の中でも若手を中心に現状打開に取り組む試みも出てきています。縫製業が中国にシフトする中で、ウェディングドレスに特化して商機を見出す。農業ではオバマ大統領にちなみ考案された、しゃれたデザインの表紙のオバナ納豆。 岩代に残る伝統野菜を地域のブランドにする試みが進められています。

地域の創意工夫の芽を見出し、応援する政策があれば、地域の活性化を加速できる。政策のヒントは現場にあります。

 続いて車で約20分ほどの山間地にある葉タバコ農家の畑を視察し、集まった10数人と車座で懇談しました。農家の方々からは、「民主党は、たばこ事業法の廃止を主張しているが、そうなると後継者が育たない」と危機感が訴えられました。今回参加した「チーム神奈川」の方々の地元・神奈川県は、喫煙に厳しい自治体ですが、参加者からは「みんなに冷たい目で見られる」との声も漏れましたが、同じく地元に葉たばこ産地を抱える鈴木俊一世話人代表を中心に、自民党は今後のたばこ事業についても真剣に取り組んでいく考えを強調しました。 葉タバコは、中山間地域で専業が成り立つ数少ない品目。産業としての農業をどう考えるか。中山間地の自然、景観の維持、国土の保全、環境価値をどう考えるか、農政には複合的な視点が必要です。

 この後、夕方には二本松市太田地区(旧東和町)で有機栽培に取り組む農家からヒアリング。地域でふるさとづくりを推進するNPO 法人の「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」の取り組みや、桑の葉を使ったアイスクリームなどオリジナル商品の紹介がありました。かつて私が食品安全担当の小泉内閣首相補佐官を務めたころ一緒に仕事をした農水省の官僚が、いまは役所を辞めてこの地で農業を始めていて、彼も説明役として参加してくれました。NPO側からは「地域が擦り減る中、民主党政権には、戸別所得補償のようなチマチマした政策ではなく、大きなことをやってほしい」などの意見がありました。

NPO法人の目的は、自立した農業、自立した地域を創る。「君の自立、ぼくの自立がふるさとの自立と輝きとなる」がキーワード。

新規就農者の支援、グリーンツーリズムの受け入れ、道の駅・農産物直売所の活用、農業の六次産業化、販路も首都圏まで拡大、創意、工夫、やる気、協働、経営感覚、農業の新しい可能性を感じます。

 夜は、二本松市のあだたら高原にある岳温泉で一泊。食事どきには「東北志士の会」と「チーム神奈川」のメンバーがそれぞれ再起を誓い、互いにエールを贈って激励し合いました。

二日目の4日は、朝食前に全員車座での総括会議、新しい自民党の理念、哲学、取り組むべき政策課題、抜本的党改革等活発に議論。朝食は、地元のリーダーの皆さんと食事を共にしながら温泉街の抱える問題や、活性化の在り方について懇談をしました。

岳温泉はニコニコ共和国≠ニして、早い時期からいわゆる地域のブランド化、情報発信に力を入れてきた地域。経済の低迷により苦戦していますが、海外からの観光客も呼び込むなど、安倍内閣で私のまとめたアジアゲートウェイ構想の一翼を担ってもらいたいと期待しています。

二日目の行程は、東北志士の会西村幹事長の地元、宮城。JA宮城仙南が運営する地ビールとソーセージの店、シンケンファクトリーを訪問。農協青年部の皆さんと米、酪農、野菜、仙南の農業を中心に語り合いました。 皆さん真剣に農業に取り組んでいますが、農業は厳しいが可能性もある。農業の抱える課題は共通しています。

最後の訪問地、七ヶ宿町。梅津輝雄町長の案内でコメの有機栽培に取り組む農業の現場に足を運びました。七ヶ宿町はダムを守るとともに、宮城県の水源で源流の水はそのまま飲めるうまい水。その水で作る米を「七ヶ宿源流米」としてブランド化。付加価値をつけて販売しています。ここにも自然を愛し、地域を愛し、創意、工夫をこらして頑張っている農業者の皆さんがいる。合併せず自立≠選択した七ヶ宿梅津町長も、七つの集落に七人ずつの職員を派遣するなど、住民と共に創る村政に取り組んでおられました。

 政策合宿を終えて思ったことは、会合ではいろんな意見が出て、行く先々で時間が足りないほど参加メンバーがとても真剣だったこと。政策を学ぼうという視点をひしひしと感じました。農業の分野では、意欲のあるリーダーがいっぱいいて、今後の成長産業の中軸になるのは間違いありません。戸別所得補償のようなバラマキではなく、地域が持っている多面的機能に着目し、地域の実情にあった政策を展開すべきだと改めて感じました。自民党も反省すべきは反省し、新しい政策本位の政治をつくるべきだと思います。野党になった厳しい現実を踏まえ、草の根に分け入って民意を吸い上げ、国民本位の自民党の姿をもう一度見せる必要があると決意を新たにしています。