衆議院議員 福島2区(郡山市、二本松市、本宮市、大玉村
2005.11.18

農業の競争力強化と食育

私は、自民党の国際競争力調査会の事務局長を務めているが、農業の競争力強化もこの調査会の重要なテーマである。日本の消費者に安全・安心を重視する新しい価値観が広まっていることと、アジアの経済力の発展に伴って新しい市場が育っていることから、私は農業の競争力強化は十分可能であると考えている。

安全・安心を重視する価値観の下では、販売の仕方次第で輸入品より国産品が選択される状況を作り出すことは十分可能である。そのためには、経営マインドと経営能力、とりわけ「販売力」のある担い手農業者(法人経営・大規模家族経営等)が活動しやすい環境を作ることが何よりも重要である。

この十月に「経営所得安定対策等大綱」が決定されたが、これは戦後農政の大転換であり、これを機に、各地域で担い手を中心として農産物の販売力を高めていく必要がある。

その際大切なことは、単に「出荷」するのではなく、量販店・食品メーカー・外食産業への直接「販売」を拡大し、そのニーズに積極的に対応していくことである。食料が不足している時代には、生産し出荷しさえすれば売れたが、食料が余っている時代には、事はそう簡単ではない。川下のニーズに的確に対応し、安定的な販売ルートを確立・拡大していかなければ、経営は発展しない。川下のニーズといっても、高い安全性を求める者、一定のロットを安定した価格で求める者など多種多様であり、具体的な販路を切り拓いて、そのニーズに丁寧に対応していくことが不可欠である。付加価値を高めブランド化することも販売を促進する上で重要である。

また、競争力を強化するには、肥料・農薬・機械等の生産資材価格を国際水準まで引き下げていくことも重要である。そのためには、全農を含めて農協系統の意識改革・事業改革が不可欠である。担い手を中心とする組合員を支援し、組合員に奉仕するという農協の設立の原点を踏まえた改革が、農協系統の生き残りのためにも必要である。

日本の食料自給率が下がったのは高度経済成長の時からであるが、これは生活が豊かになると食生活も変わるということを意味している。そう考えると、かつての日本の変化がいま、アジアで起きており、日本の付加価値の高い農産物の輸出は極めて実現可能性の高いものとなってきている。このチャンスを生かし、在外公館、JETROや商社等の機能も活用して、輸出相手国の輸入制度の情報収集や制度改善の交渉、輸出成功事例のノウハウの共有を推進し、農業の輸出産業化を本格的に進めていく必要がある。

また、食育も重要なテーマである。日本人の食生活は、伝統的に主食であるお米を中心に、野菜・畜産物・水産物などを取り揃えた栄養バランスの良いものだったが、戦後の食料不足の時期を経て、国民生活の向上とともに主食のお米の消費が減少するなど、日本人の栄養に偏りがみられるようになった。また、お箸をきちんと使えない子どもが増え、食料輸入国でありながら大量の食べ残しが問題になっているなど、「食べ方」も社会問題となっている。

そこで、自民党が中心になって取り組んできた「食育基本法」の成立を期に、食育を国民運動として盛り上げていくことが重要である。知育・徳育・体育・食育、この足並みがそろうことが、日本の将来にとって極めて重要であると考えている。