衆議院議員 福島2区(郡山市、二本松市、本宮市、大玉村

トピックス 2006年

2006.12.28

走り続けた3カ月

総理大臣補佐官を拝命して3カ月。気がついたら今年も残り少なくなってました。

経済財政という広範な分野を担当しているために次から次へと案件の処理に追われる日々ですが、小泉内閣の補佐官時代とは比べものにならないほどの総理補佐官の醍醐味を味わうことができます。

忙しさにかまけ、日記の更新を怠ってましたが、前回の日記を執筆した直後(11月下旬)に安倍総理の指示でインドとシンガポールに出張しました。

この海外出張は、安倍政権の重要政策課題の1つで私が担当している「アジア・ゲートウェイ(日本とアジア各国との経済連携の強化)戦略」を具体化させるために経済成長著しいインドと、物流や交通の要衝であるシンガポールの情報を収集するとともに、安倍政権の経済政策を発信することが狙いでした。

結果は大成功。ゲートウェイ構想や安倍総理のアジア外交に対する関心は非常に高く、インド、シンガポールのいずれでも現地メディアのインタビュー攻勢に遭い、特にシンガポールでは同国最大の新聞紙面に大きく取り上げられました。

ゲートウェイ構想については、私が議長代行を務めているアジア・ゲートウェイ戦略会議(議長・安倍総理)で構想の具体化に取り組んでおり、来年1月にフィリピンで開催される東アジア首脳会議(サミット)で安倍総理により公表されることになっています。

総理補佐官「最初の100日(First Hundred Days)」として3ヶ月を振り返ってみました。こちらも覗いてみてください。

さて、このように今年もまた仕事に明け暮れた1年でしたが、来年は…………。

では皆さん、良いお年をお迎え下さい。

2006.11.24

父の戦争体験がドラマに

4年前に亡くなった父のことについて書きたいと思います。
父は、昭和18年に第13期海軍予備学生に志願し、鈴鹿航空隊における訓練を経て任官、一式陸攻の機長として、昭和20年2月の硫黄島の緊急物資輸送、2月・3月の硫黄島への爆撃攻の後、4月の沖縄戦では、戦果を上げる一方で愛機も被弾、部下二名が戦死、本人も負傷しながら奇跡の生還を果し、終戦を迎えました。

父と一緒に志願し採用された海軍予備学生の飛行科は4726人任官しましたが、ほぼ3人に1人は戦没されたと言われております。厳しい訓練をともにした戦友の多くを失った哀しみ、喪失感は、父の心に深く刻まれ、戦争と戦没者のことを正しく次世代に伝えること、遺族の方々に本人が生きた証としての遺品を受け渡すこと、遺族の方の声なき声を後の世に残すこと、を生き残った自分の責務と考え、後半生のライフワークとしてきました。

昭和20年2月の硫黄島への緊急物資輸送の際には、兵士たちから託された家族への沢山の手紙を携えて帰還しましたが、それが硫黄島からの最後の郵便配達となったこと、玉砕のため一片の遺骨も遺品も帰ってこなかった、硫黄島の戦没者の慰霊に戦後も尽くすとともに、御遺族の方々と深い交流を続けていたことが、テレビ局の方の目に留まり、ドキュメンタリードラマ(「戦場の郵便配達」)として再現され、フジテレビ系列で放送されることになりました。ドラマのメインテーマは、「本土と激戦地を行き交った“手紙”を通して見た硫黄島」。硫黄島での戦闘は、攻めた米軍が日本軍を上回る戦死傷者を出したという意味で「勝者なき戦い」であり、硫黄島は戦争の悲惨さを象徴する島となりました。

かつて、この島で想像を絶する過酷な戦いが行われたという事実とともに、兵士たちが父に託した手紙が今を生きる人々への平和のメッセージとなれば、と思い、父の遺志を継ぎ番組の制作のために、父の遺した資料を提供させて頂きました。
父の役は、若手の人気俳優、伊藤淳史さんが演じるそうです。
放送は12月9日(土)の午後9時からです。

関連項目

番組のHP

2006.11.12

福島県知事選について

根本匠です。福島県知事選挙は、自民・公明推薦の森雅子さんが最後まで頑張ったのですが、善戦及ばず残念な結果に終わりました。

自民党としては、弁護士であり金融庁の課長補佐でもある森さんの力量を高く評価したから知事候補に推薦し、選挙戦でも力強く後押ししたわけです。

が、いかんせん慌ただしい日程の中で、知名度の低い森さんを勝利に導くには時間が足りなすぎました。森さん自身も敗戦の弁で語っていたように、もう少し時間があれば違った結果になっていたはず。残念の一語に尽きます。

ともあれ、福島県政の立て直しは急務です。県民の皆様のために一刻も早く正常化を図る必要があります。

2006.11.2

「アジア・ゲートウェイ構想」始動へ

根本匠です。総理補佐官に就任し早くも一ヶ月が過ぎましたが、重要な仕事の一つである、「アジア・ゲートウェイ構想」(アジア各国との連携強化策)に関する作業も着々と進んでいます。

この「アジア・ゲートウェイ構想」を具体化するために、安倍総理を議長とする「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の発足も決まり、私は議長代理として総理を補佐することになります。

会議のメンバー※には、国際経済や国際標準作り、アジア研究、芸術・文化の第一人者に加え、ビジネスの世界で国際的に活躍する方々にも加わっていただき、構想の実現に向けて活発な議論をしていきたいと考えています。

無論、私自身も構想の具体化のために自らアイディアを吸収しなければいけません。総理補佐官のスケジュールは過密ですが、先日(今月1日)もその合間をぬって、「新日本様式」100選の展示会を視察してきました。

「新日本様式」とは、我が国の伝統的な技術・デザインや機能、コンテンツを現代の生活にふさわしいように再提言することで、大型のプラズマテレビやロボットといった、日本の先端技術やものづくりの力だけでなく、スズ竹の買い物かごやふろしき、日常の食卓の彩りを増す平茶わんや料理を楽しくする一体構造の包丁といった、さまざまな魅力のある「匠の技」を紹介しています。

アジアの活力を活かしながら、日本の魅力や強さを海外に発信し、さらなる成長を目指すという、「アジア・ゲートウェイ構想」のアイディアを、ものづくりを通じて表した格好の例ともいえます。やはり「百聞は一見にしかず」で、構想を具体化する上で、非常に刺激になりました。

ちなみに「アジア・ゲートウェイ戦略会議」のメンバーである中村邦夫松下電器会長は「新日本様式」協議会の理事長でもあり、会議の場でもいろいろな議論ができることが楽しみです。

アジア・ゲートウェイ戦略会議に参加する皆さん(五十音順。敬称略)

伊藤元重:東京大学大学院経済学研究科教授
 国際経済の専門家でもあり、テレビのコメンテーター(テレビ東京系列の「ワールド・ビジネス・サテライト」ほか)としても活躍しています。

氏家純一:野村ホールディングス株式会社取締役会長
 米国勤務の長い国際派。東京大学金融教育研究センターのセンター長も務めています。

白石隆:政策研究学院大学副学長
国際政治、とくに東南アジアの専門家。政治・経済・社会を見据えた議論をされています。

中北徹:東洋大学経済学部教授
 各界の世界標準(グローバル・スタンダード)の取り組みについての専門家。市場開放と日本の国際化の必要性を提唱されています。

中村邦夫:松下電器産業株式会社代表取締役会長
 米英の現地法人のトップを歴任した国際派。「破壊と創造」を旗印に、経営構造改革を断行した松下復活の立役者。

深川由起子:早稲田大学政治経済学術院教授
 東アジア経済の専門家であり、韓国にとくに造詣が深い方です。

宮田亮平:東京芸術大学学長
 専門は鍛金(たんきん)。アジアを意識した日本文化や国際交流に尽力されています。

参考

新日本様式100選のホームページ

2006.10.23

経済政策の海外発信も補佐官の仕事

根本匠です。総理補佐官に就任する際に、安倍総理から指示された仕事の一つに日本の経済政策を海外に発信することも含まれています。

とくに安倍総理が所信表明演説で表明した「アジア・ゲートウェイ構想」(アジア各国との連携強化策)については、アジアにおける日本に対する期待や要望も十分踏まえることが重要で、そのためにもアジア各国のリーダーとの接点も大切にしなければなりません。

こうした対外発信のための活動は東京にいても十分可能です。先日(今月17日)も安倍総理が開催したイフタール(イスラム教の教えに基づく断食明けの食事)の食事会で同席したインドネシアの臨時代理大使と懇談しました(ちなみにインドネシアは世界最大のイスラム教国です)。

インドネシアとの間では経済連携協定(EPA)が交渉中で、11月に予定されているユドヨノ・インドネシア大統領の訪日の際に交渉が合意に向けて大きく進展することが期待されています。大使のお話からも、「アジア・ゲートウェイ構想」を通じた人の交流の強化への関心の高さがうかがわれました。

また、今月16日には、自民党と中国共産党の「第2回日中与党交流協議会」のために訪日している王家瑞(おうかずい)中国共産党中央対外連絡部長(党の外務大臣にあたる対外折衝の責任者)とも、麻生外務大臣主催のレセプションにおいて意見交換をし、安倍訪中の成功を踏まえての両国関係強化の重要性を再確認しました。

今後の外交日程も、12月に東アジアサミットが予定されるなど、年末までアジアと日本の結びつきを強める行事が目白押し。「アジア・ゲートウェイ構想」を具体化させるための責任の重さを感じています。

2006.10.10

特命担当スタッフ勢揃い

首相補佐官室で辞令交付

根本匠です。総理大臣補佐官に就任して2週間が経過、総理官邸での執務にもようやく慣れてきました。

私を支えてくれるスタッフも、経済財政という広範な政策課題に取り組む上でも拡充が必要と考え、公募で採用された参事官に加え、意欲と志のある若手官僚10人と民間人1人の計12人が専任スタッフとして今日、全員そろいました。

彼らには、安倍総理が所信表明演説で推進を力説されていた「アジア・ゲートウェイ構想」(アジア各国との連携強化策)、長期的な経済成長の戦略づくり、日本の経済政策の対外発信などの特命事項について私を補佐してもらいます。根本匠の“バトルトーク(闘論)”にどこまでついてこれるか、楽しみです。

2006.09.27

総理大臣補佐官に就任

根本匠です。安倍新内閣が26日に発足、私は安倍晋三総理大臣の補佐官に就任しました。

初当選以来の盟友・安倍総理から請われれば、どんな仕事でも引き受けるつもりでおりましたので、「経済財政政策担当の総理大臣補佐官として私を支えて欲しい」との総理の要請に「お受けします」と即答しました。感想は、極めて月並みな表現ですが、身の引き締まる思いです。

組閣と同時に発令された5人の補佐官は、総理大臣官邸への機能集中を目指す安倍政権の最重要人事で、私は成長戦略など経済財政政策の分野で安倍総理を徹底的に補佐、与党や関係省庁との調整役を担うことになります。

総理大臣補佐官は小泉政権でも経験していますが、当時は内閣府副大臣との兼任だったのに対し、今回は安倍総理ひとりに仕える専任の総理大臣補佐官で、今後は官邸に常駐することになります。

〈官邸戦隊 アベレンジャー!!〉
スポーツ紙の「スポーツ報知」が27日付の朝刊で、「首相が閣僚に匹敵する重要ポストに位置づけ」た5人の総理大臣補佐のことをこう報じていますが、スポーツ紙は上手い見出しを付けるものです。

ともあれ、鳴り物入りで登場した私たち総理大臣補佐官の活躍をご期待下さい。

2006.09.20

安倍さん、おめでとう!

根本匠です。皆さんもご存知のように、安倍晋三官房長官が自由民主党の第21代総裁に選出されました。

26日には国会で第90代総理大臣に指名され、戦後最年少・初の戦後生まれの総理大臣が誕生することになります。

安倍さんは、初当選以来、政策本位の政治を目指し行動を共にしてきた盟友であり、心からおめでとう!と言いたい。

2006.08.24

自民党総裁選について

「ポスト小泉」を選ぶ自民党総裁選が9月8日に告示されます。

自民党員の皆さんと私たち国会議員では、投票の方法や日程が異なりますが、国会議員の投票は9月20日に行われ、国会議員票403票と党員票300票の過半数を獲得した候補が次期総裁に選出されます。

最近、「根本匠さんは誰を支持するの?」とご質問を受ける機会が増えておりますので、私の考えを改めてご説明しておきたいと思います。

私は最後まで安倍晋三さんを支持します。

ご存知のように、私と安倍さんとは初当選以来、行動を共にし苦労を分かち合ってきた盟友です。

新人議員時代、政策集団「アクショングループ」を立ち上げる時も、政治改革を目指し政策行動集団「グループ新風」を結成する時も、安倍さんは石原伸晃さんや塩崎恭久さんらと共に同志として行動をともにしてきました。

また、1990年代後半に年金、介護、金融などで政府・与党の政策形成に影響を与え、海外からも注目を集めた4人の政策新人類の政策集団「NAIS(ナイス)グループ」が根本(N)・安倍(A)・石原(I)・塩崎(S)の頭文字を取って命名されたことも、これまたご存知の通りです。

安倍さんとは、「政策」を通じてお互いに刺激し合い、強い絆で結ばれてきました。年齢は私の方がちょっと上ですが。

私が所属する宏池会(丹羽・古賀派)が総裁選に向けて政策提言を策定した際、私が派内の意見を集約し提言案をとりまとめる立場にあったこと。もう1つ、武部勤幹事長が党役員に対し、総裁選絡みの動きを慎むよう要請していたこと。この2つの理由から、国会開会中は安倍さんへの支持を表明することを自粛していました。

宏池会の政策提言はまとめあげましたし、また、既に実質的な総裁戦に突入、役員の応援合戦も事実上解禁されましたので、年来の主張である安倍晋三さんへの支持を表明した次第です。

NAISの同志・安倍さんには、自民党総裁選に勝ち、次期首相に是非とも就任していただきたい。心からそう願っております。

2006.06.29

道路特定財源見直しPTの中間とりまとめを発表

道路整備に充てる道路特定財源の見直しについて、自民党のプロジェクトチーム(PT)の座長としてこの問題の検討を進めてきましたが、6月29日のPTで、道路特定財源に関する論点を整理、明確化した上で、一般財源化に対する様々な意見や要望があることを踏まえ、「行政改革推進法に基づき、税制調査会と連携を図りつつ、年内に必要な見直しの具体案をとりまとめる」との中間とりまとめを行い、発表しました。

われわれPTの作業はここまで。今後は、9月の総裁選後に発足する新体制の下で具体策の検討を進めていくことになります。

道路特定財源の一般財源化については、「一般財源化反対、転用されるのであれば暫定税率を廃止すべきだ」「温暖化対策に活用すべきだ」「地方へ移譲すべきだ」「使途を更に多様化すべきだ」など、各方面から様々な意見や要望があります。

そうした中で、道路整備に関する地方のきわめて強いニーズ等も勘案した上で、論点が共有できる中間とりまとめを行うことができ、党内だけでなく、地方自治体など各方面から高い評価が寄せられれています。政府・与党が今月上旬に決定する「骨太の方針」にはこの中間とりまとめの考え方が反映される予定です。

2006.06.29

「 “ 音楽都市郡山 ” イメージ創出社会実験」が採択されました。

国の18年度社会実験支援事業として「音楽都市郡山」をテーマに掲げた「 “ 音楽都市郡山 ” イメージ創出社会実験」が6月29日に採択されました。社会実験とは、これまでの制度を大幅に変える先進的かつ斬新な施策について、その施策を本格実施する前に、場所や期間を限定して行って施策の内容を評価するものです。郡山での過去2年間の社会実験に対する取り組みが評価され、さらに内容を充実させて取り組むこととなりました。

郡山での社会実験支援事業としては、16年度に「郡山にぎわい・夢カフェ社会実験」を実施。「なかまち夢通り」を舞台に、街の魅力を高めて賑わいを創出するための「オープンカフェ」を開きました。続く17年度には、中町だけでなく、大町・駅前大通りにも対象地域を広げ、オープンカフェをはじめ各種イベント、共同販売促進事業、 自転車の降車通行ルールづくり等を実施しました。

今回はこれまでの実績をふまえ、「郡山駅前大通り」を中心に、歩道エリアで、クラシックやアコースティック音楽に関するイベントや装飾を実施することとなりました。 “ 音楽都市郡山 ”のイメージを打ち出し、郡山市中心部の魅力を高め、市全体の活性化につなげる狙いです。

自治体のまちづくり支援に関しては、私は国政の場で中心市街地活性化基本法の制定で中心的役割を担った経験を誇りにしています。地元・郡山はその後、同法に基づく基本計画を全国で初めて提出した実績があります。全国第一号だった同基本計画は、その後に続く600を超える自治体が基本計画を策定する場合のモデルとして高い評価を獲得しました。

中心市街地活性化法の基本計画の策定から始まり、社会実験支援事業を立て続けに実施するなど、地元・郡山が、全国に先駆けてまちづくりや活性化に取り組む姿は、嬉しい限りです。私も地元の活発な取り組みを励みとして、これまで以上に地域のまちづくり支援などに尽力していきたいと思います。

(イベント等の実施期間は、10月1日から11月5日まで。この間、10月5日から8日まで、日本青年会議所の全国大会が郡山で開催されます。)

2006.06.07

雪冷房機の風、いと涼し

自民党本部において、「雪氷エネルギー推進議員連盟」の設立総会を開催し、私が会長に、幹事長にはオリンピックのメダリストであり、地元郡山の「つるりんこ祭り」でもおなじみになっている、橋本聖子参議院議員がそれぞれ就任しました。

石油、石炭など、化石燃料の莫大な消費量が、地球上に二酸化炭素などの温室効果ガスを増加させ、温暖化による地球環境破壊が深刻な国際問題となっています。東京などの大都市部においても「ヒートアイランド現象」と呼ばれる、地球温暖化に伴う現象が顕在化し、その対策が急務となっています。

積雪寒冷地の人にとってこれまで邪魔者であった雪や氷を、冷房や冷蔵のエネルギー源として有効利用する取り組みに関心が寄せられるようになりました。平成14年1月には、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」の施行令が改正され、自然の雪氷が冷熱エネルギーとして位置づけられました。

雪氷を、都市の建物の冷房や食品の冷蔵倉庫の冷熱源として利用、また、公園、街路樹などの植物への散水としての利用を推進し、地球温暖化、ヒートアイランド現象等の問題解決を目指し、積雪寒冷地と都市とが知恵を出し合って、豊かな国づくり、地球づくりをやろうと議員連盟を発足させた次第です。

今日は、雪氷冷熱エネルギーの活用を提唱している大規模長期食糧備蓄基地構想推進協議会の小嶋英生事務局長、いちはやく雪氷をエネルギーとして利用し始めた北海道の石狩平野北端に位置する沼田町の西田篤正町長からも、取り組みなど事例発表していただきました。また、沼田高校の生徒さんたちが作成した雪冷房機の展示も行われました。この雪冷房機は、全世界に5台しかなく、沼田町から外に出たのは今回が初めて。

私が注目しているひとつは、いまの国会議事堂が完成した昭和11年当時使われていた「氷冷房」を復活させようという試みです。衆議院、参議院とも議事堂の地下には、現在も氷の貯蔵庫や配管設備などが残っていて、推進協議会の小嶋英生事務局長らは、この設備の復元案を衆議院事務総長に提出しています。実現はなかなか簡単ではありませんが、国会を氷で冷やせば地球環境問題対策などの象徴的な取り組みになります。まずは、仮設の部屋で議員に氷冷房を体験してもらうのもいいと思っています。

2006.05.11

気になる原油価格の動き

根本匠です。原油価格の高騰で石油製品が値上がりしています。

石油情報センターが発表した今月1日時点のレギュラーガソリンの店頭小売価格(全国平均)は1g当たり135円。湾岸危機時の1991年以来、15年ぶりの高値で、場所によっては140円以上の看板を掲げているガソリンスタンドもあるそうです。

値上がりしているのはガソリンだけではありません。灯油、軽油も空前の高値ですし、素材メーカーなどにも価格引き上げの動きが広がっています。

ですが、原油価格がこんなに高くなっているにもかかわらず、経済への影響は限定的で、33年前の第1次石油危機のような騒ぎにはなっていない。なぜでしょう。

最大の要因は、経済全体に占める石油依存度が低下しているからです。日本経済の規模(GDP)は第1次石油危機当時の2倍強に膨れ上がったが、8割近くあった1次エネルギーに占める石油の比率(石油依存度)が省エネ技術の発達などにより5割前後まで低下、価格変動の影響を受けにくくなっているのです。

円高要因も大きい。円高が進めば、ドル建ての支払い負担がその分だけ軽くなるからで、ここにきての急速な円高も、原油価格との関連で見ればプラス要因となっているのです。

もう1つ。1バレル=70ドルという原油価格は、たしかにかなりの高水準ですが、第2次石油危機時(1979〜80年)の原油価格と比較すると、インフレを調整した実質価格は30ドル程度で、当時の最高値(40ドル)を下回っています。

とはいえ、ガソリンの店頭小売価格に象徴されるように実体経済への影響はじわじわと広がっており、原油価格の高騰が警戒すべき水域に入っていることは間違いありません。

景気に悪影響を及ぼさぬよう監視態勢を強め、政策措置が必要な場合には迅速に対応するよう政府に働きかけていきます。

2006.04.01

「キラリと光る逸材」

根本匠です。

数年前のことですが、党の行政改革推進本部の事務局次長を務めていた頃、内閣官房の行政改革推進事務局に出向していた一人の経産官僚と知り合いました。

肩に力が入らず淡々と仕事をこなしていくが、上辺のクールさとは裏腹に熱いものを感じさせる好漢で、「いつかこの官僚を自分の部下として使ってみたい」と考えておりました。

しかし、この「キラリと光る逸材」と再会するまでにそんなに時間がかかりませんでした。平成14年秋に発足した小泉改造内閣で内閣府副大臣兼総理大臣補佐官を拝命した私が、広範な担当分野をキチンとカバーするため内閣府に対し、秘書官のほかに専任の政策スタッフを要求したところ、内閣府の幹部が提示してきた官僚リストの中に彼の名前が書き込まれていたのです。

内閣府副大臣兼総理大臣補佐官の1年間、どれだけ彼に助けられたか分かりません。7つもの広範な分野をたった一人で担当、一度も倒れずに仕事をこなせたのは、この経産官僚がしっかりと補佐してくれたからです。

官僚としての力量はピカイチ。加えてしっかりした理念と歴史観を持っている。彼なら政治家としても十分やっていけるのではないか、と常々思っていました。

その彼が、11日告示、23日投開票の衆議院千葉7区補欠選挙の自民党公認候補公募に応募。200人超える応募者の中から公認候補に選ばれました。元経産省電力基盤整備課長で前埼玉県副知事の斎藤健氏です。

斎藤氏の選考理由について千葉県連では、「経歴、識見、人格」の3点を挙げてますが、元上司の私も同じ評価です。

ともあれ、「キラリと光る逸材」という私の見立てに間違いはなかったわけで、斎藤氏が選挙を戦い抜き登院してくるのを待ちます。

2006.03.06

「文壇最強の子育てパパ」鈴木光司さんと、少子化問題について対談しました。

根本匠です。

先日、「リング」「らせん」などのベストセラー小説を次々と生み出した作家の鈴木光司さんを私のセミナーにお招きし、「子育て」をテーマに対談しました。

鈴木さんといえば、小説を書きながら2人のお嬢さんの子育てに励んだ「文壇最強の子育てパパ」としてつとに有名で、セミナーではご自身の体験談や少子化対策の在り方などについて基調講演の形でお話をうかがった後、私と鈴木さんとで少子化問題についてひとしきり話し合いました。

以下、〈鈴木光司 vs 根本匠〉の少子化問題バトルトークの一部をご紹介します。

根本匠:

少子化対策は、平成7年から「エンゼルプラン」として、育児休業給付の創設など、育児と仕事の両立ができるような政策を行ってきた。小泉総理お気に入りのキャッチフレーズ「待機児童ゼロ作戦」を掲げ、平成15年からは次世代育成支援として、企業ぐるみでの対策を行っている。

出生率は、人口1万人程度の市町村で高く、東京などの大都市では少子化が進んでいる、といった地域差がある。

ポイントは、晩婚化と生涯未婚率の高さをどう対処するか。これらが変われば少子化が変わると思ったが、変わらなかった。・男性の育児参加が少ないことや、・子育て支援サービスに充実感がないこと、・経済状況が悪くニートやフリーターが増えたことなどが社会的背景にある。

しかし、日本経済は4年前に底を打った。政治は10年間で地域や企業をまきこみ総力戦で子育て支援をしてきたが、出生率との因果関係がわからない。効果がどう結びついているのか、を証明するのが難しい。

鈴木光司:

自分も、仮に仕事にきちんとついていたら子育てをしていたかというと、していないと思う。実際、子供が一日家にいると、まったく仕事ができない。非常にストレスがたまるから、妻(教師)が帰宅すると、その日の出来事をすべて話しストレス発散する。妻が、「大変だったね」「ありがとう」と感謝の言葉をかけてくれるといいが、無視されたりすると逆にストレスが高まったことだろう。普通の主婦の気持ちがよくわかる。

厚生労働省が子育てに協力的な企業を「ファミリー・フレンドリー企業」として表彰している。初代は「ベネッセ」だったと思うが、社会貢献しようという企業としてPRにもなる。学生に人気が高くなり良い人材が集まる、という好循環が生まれる。来週から欧州に行くが、欧州でも「日本の男性は子育てに非協力的」と有名だ。自分も、結婚後フリーターだったが結婚相手が先生という、偶然のきっかけで子育てに参加したように、「ちょっとした偶然」を仕掛けるのも大事ではないか。

根本:

「ニート、フリーター政策」について意見を聞きたい。

鈴木:

自分は「小説家になりたい」という強烈なモチベーションがあってのフリーターだった。塾の経営もしたが、チラシ投函、ティッシュ配りなどもやった。どんな仕事でも、会社から「正社員にならないか」といわれたほど、一生懸命やった。

しかし、今のフリーターやニートには、モチベーションがない。これは、家庭の問題であり、モチベーションを上げるための言葉がけをどうするか、ということが大事だ。

自分も、母親から「男は安定、安全な仕事につくな。一発勝負しろ」といわれていたから、小説家を目指した。危機を察知し、困難を克服できるような「たくましい男を作る」教育、働き場所を用意してあげるのではなく、働くモチベーションを高める教育が大事だ。

2006.01.01

「いざなぎ景気」の記録を更新?

根本匠です。明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

今年の干支は60年に一度の丙戌(ひのえいぬ)です。丙戌の年は、古くから平穏な年、乱世が過ぎ去った後の年回り等といわれているそうです。

60年前の丙戌(1946年)は、前年が終戦の年。文字通り乱世が過ぎ去り、日本国憲法が公布されるなど戦後復興のスタートを切った年でした。

もう1つ遡り、120年前の丙戌(1886年)は内閣制度発足の翌年。学校令の発令や第1回条約改正会議の開催など近代国家に相応しいことをしようという意欲に燃えた年でした。

丙戌以外の戌年も見てみましょう。

▼1958年。東京タワーが完成し1万円札が発行されました。
▼1970年。大阪で万国博覧会が開催され、三島由紀夫の自決という衝撃的な事件もありました。
▼1982年。中曽根政権が発足。東北新幹線(大宮−盛岡間)が開業、首都圏と東北の“距離”がぐっと縮まりました。
▼1994年。自社連立の村山政権が発足。年末には東京の2つの信用組合の経営危機が表面化、金融機関の不倒神話が崩壊するきっかけとなりました。

2006年の戌年は? 衆議院選挙での自民党圧勝の翌年で、秋口には政権交代というビッグイベントが予定されてますが、はたしてどのような展開になるでしょうか。政治の世界は「一寸先は闇」です。

経済はどうでしょう。平成14年(2002年)1月を「谷」とする現在の景気拡大局面は5年目に入ります。企業部門はますます元気、株式市場も活況を呈しており、「バブルの再来」という声も聞こえてくるほどで、景気が今後も順調に推移すれば、11月には戦後最長のいざなぎ景気の記録(57カ月)を抜いて58カ月となります。

長年続いたゼロ金利が消費者の懐を温まりにくくしているが、時機が到来すれば金融の量的緩和策が解除され、短期金利も上がっていく。そうなれば家計の金利収入が増え、消費にも弾みがつきます。

ともあれ、経済がますます上向いていくことは間違いないでしょう。

根本の匠の2006年は? 今年もまた“ぬくもりある改革”に取り組みます。